旅の歓び
BEAUTIFUL TRIP

著者 柚木沙弥郎 
1986年 用美社刊 3,000

作者が旅したエジプト、インド、ヨーロッパ、日本各地の風物を想う作品40点にて構成。      

      


Web galleryにて
第一回「旅の歓び展」

がご覧になれます。


 

 


 旅とは私にとってまったく私的な行為である。ひょっとして自分が生まれる以前からこの世に存在するかのようなもう一人の自分に何時か出遭えるのではないかという期待がある。
それがほとんど実現しそうな気がするのは旅においてだと思うのだ。
 旅の歓びとは多分このスリルのことではないだろうか。

 

床屋 1984

西瓜売り 1984

 

 

箒売り 1984

梯子をのぼる人 1980

渋谷の雑踏を売物の箒をかついだ老人が歩いていた。誰も珍しがらず、老人も平気で、人びとの頭の上を新しい箒が遠ざかって行った。

 

 

ボンベイのアパート 1974

ボンベイの夕方。市場に面した古いアパートが眼をひく。鉄の手すりをめぐらせたテラスに包まれて大きな虫籠のようなこの建物は、黄ばんだ落日をすかして劇場の書き割りのように空に浮かんでいた。

 

 

 

レストランの給仕たち パリ 1984

 

 

 


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